まちだです。春の足音がなかなか聞こえてこない札幌です。
さて、劇団words of hearts第18回公演「この生は受け入れがたし」の稽古が始まりました。
日本を代表する劇作家、平田オリザ氏の傑作戯曲に挑戦します。既成台本に取り組むのは「妥協点P」(2019年)以来です。
あらすじ
東北地方にあるとある田舎町にある寄生虫研究所。
ここに東京から新たに研究員の昭夫が赴任してきた。研究熱心な昭夫とは対照的に、妻の由美は田舎の暮らしになかなか馴染めずにいる。
このままじゃいけないと、由美は寄生虫について学ぼうとする。そこで由美は昭夫意外の研究員の様々な面を知る。元夫とその家族との確執、東日本大震災の経験などの話を聞くうちに、由美の中で小さな変化が芽生えていく。
人間関係、夫婦関係、都会と田舎の関係、様々な場面で「共生」が謳われている昨今。もしかしたら「共生」しようと思うがあまりに生まれる対立があるのではないか。お互いが今よりも寄り添うことで理解が深まるかもしれない。
物語は寄生虫の性質を語りながら、今の世の中の本質を静かに、しかし力強く描いています。
きっと見る人の心に強い印象を与えるだろうと思っています。僕自身、初めて台本を読んだとき、ここ数年のWOHの作品で取り組んできた大きなテーマと合致するのを感じ、上演することを決めました。恐らく、札幌では初めて上演される作品です。
先日の2月27日が初稽古でした。そこで初めて俳優の声を通して物語をみんなで追いかけました。軽妙な台詞のやり取りに、作品の奥深さを突きつけられたような気がしました。そしてすぐには答えの出ない疑問点も数多く見つかりました。もっと中に込められているその意味を理解したい。
毎日が宝探しのようです。難しいけれど、その作業がとても楽しいのです。
現在を反映した内容ですが、熱く現代社会を憂うような物語ではありません。寄生虫の驚くべき生体が語られます。寄生虫の存在を通して、登場人物の現状が浮き彫りになっていきます。それってどういうことって思いませんか?でもそんな物語なんです。
答えは全て舞台の上にあります。多くの方に見て頂きたいと考えています。
4月25日から28日まで、琴似のパトスで上演します。チケット、絶賛発売中です。ご予約の際は、当サイトの特設サイトへ移動し、最下部の「チケット購入はこちら」からどうぞ。
今回も素敵なキャスト&スタッフに恵まれました。お馴染みの人、初参加の人、それらがここからどんな化学反応を起こすのか。僕自身とても楽しみなのです。
劇場でお待ちしています!