代表まちだの独り言~その①

劇団words of hearts第19回公演
「博士と過ごした無駄な毎日」

【札幌公演】2024年10月17日(木)~20日(日)@コンカリーニョ
【江別公演】2025年6月7日(土)@えぽあホール

🎫予約(札幌公演)▶https://shibai-engine.net/prism/pc/webform.php?d=2o0vydnn
クラファンご支援▶https://actnow.jp/project/words_of_hearts/detail

木製戦闘機「キ106」の製造はいわゆる国策でした。戦況が厳しくなる中、戦闘機を作るための金属が足りないということで、木製戦闘機の製造へと舵を切ったのです。ちょっと信じがたい話です。そして製造の場所の一つに選ばれたのが江別町(現江別市)でした。広大な敷地に滑走路と工場(江別製作所)が建設され、3000人以上が動員され、当時の目標として4000機が造られる予定でした。のどかな田舎町だった江別に突如現れた軍需工場。それは異様な光景でありながら、いつの間にか町の風景として馴染んでいったのだろうと思います。ここで戦争の道具が造られているという事実さえ忘れそうになっていたかもしれません。1945年7月14日~15日に起こった北海道空襲が来るまでは。

人は環境に対する適応能力が高い生き物です。そして忘れやすい生き物でもあります。特に歴史に関することで言えば、当事者がいなくなれば、その事実すらなかったことになります。そしてそのことに誰も気が付かない。戦争が終わって80年近くが経とうとしています。幸いにもこの国は国民が直接的に戦闘に巻き込まれずに過ごして来ました。素晴らしいことです。でも同時にそれは戦争を「記憶」している、戦争を「語れる」人が少なくなっているということです。記憶がなくなればあの悲劇が繰り返される可能性も出てきます。よく「どうして過去の歴史から学ばないのか?」という論調を目にします。現に世界に目を向けると、未だに連日のように戦争で多くの方が尊い命を落とされています。ある意味、人間はおろかなんだと思います。
だからと言って諦めるわけにはいきません。人間は過去から学び、進化しなければならないのです。少なくともその意識を持ち続けるべきなのです。そのために今の僕に何ができるか。何をすべきなのか。ずっと考えています。世界を変えるほどの能力なんてあるはずがありません。でもどうにかしたい。でも何ができる?そうグルグル巡るうちに行き着くのは、自分やはり創作し続けることなんだということ。舞台という手段で語り続けること。世界は変えられないかもしれないけど、舞台を見に来てくれた誰か一人になら、もしかしたら伝えられるかもしれない。「昔、この場所でこんなことがあったんだよ」って。
「博士と過ごした無駄な毎日」という舞台にはそんな想いが込められています。我々が今こうして平穏に暮らしていられるのは、それぞれの時代にたくましく生きていた先人たちがいたからです。僕はこの舞台で戦争の悲惨さを強く訴えたいわけじゃありません。そんなのはみんな知ってるし、それは他の創作者に任せたらいい。今回の舞台では戦争の時代に先人がどう生きていたか、どんなバトンを我々に渡してくれたのかを一緒に考えたいのです。

僕はまだまだ人間としても未熟です。でも少しでも答えの一端が見つかるよう、誠心誠意、劇作に挑みます。劇作にはお金が必要です。想いだけではどうにもなりません。だから図々しいことは承知しつつも皆さんにお願いしています。クラウドファンディング実施しています。是非とも劇場に足を運んでください。一緒にあの時代に思いを馳せたい。一緒にこの舞台を完成させたい。その一心です。その気持ちに一点の曇りもありません。

クラウドファンディングは9月30日まで実施しています。

皆さんのご支援、切にお待ちしています。(まちだ)

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