顔色を気にしたり窺ったりする話。

(金曜日担当;まちだ)



顔色の話。

僕は赤ら顔だ。

頬から鼻にかけて赤みが目立つ。

数年前から「熱あるの?」とか「日焼けした?」などと指摘されるようになり、余りに頻繁に言われるものだから、気になって病院に行ったら「酒さ(しゅさ)」と診断された。

「酒さ」、聞いたことのない病名だ。というか、病名らしくない。●●症とか、●●性疾患みたいに言われたら危機感も増すのに、文字だけ見たら何を飲んでいるのかと聞かれた酔っぱらいが気取って答えたときの言葉みたいだ(わかりにくい?)。

しかし酒さはれっきとした皮膚疾患に一つで、外的な刺激に過敏に反応することで赤くなるらしい。いわゆる敏感肌の類。現状は赤みが目立つ程度だが、症状が悪化すると皮膚がぶつぶつと盛り上がって来ることもあるとか。原因としては体質的な要素が大きく、特効薬のようなものはないそうだ。

それならばと開き直って「酒さキャラ」で行こうと思うも、50歳を過ぎたおっさんがそれをやったところでかっこよくも可愛くもなるはずもない。そもそも「酒さキャラ」って何なんだって話だ。



顔色と言えば。

日常生活で多くの人と関わっている中で、相手の顔色を窺うことはよくある。

ここでの顔色は「表情」とか「雰囲気」に近い。

個人的には日本人はこの「顔色を窺う」ことが抜群に上手なのだろうと思う。

相手を慮る気持ちという面では人として必要な要素だとは思うが、実はそれも良し悪しだなあと思ったりする。

小学生の頃、遠足で目的地に行くまでの手段を徒歩にするか自転車にするかについてHRで話し合いをしたことがある。担任の先生から言われたのは基本的に結論は全員一致とすること(陪審員制度か)。個人的には徒歩案を支持していたのだが、クラス全体としては自転車派が圧倒的。多数派の少数派に対する目は冷ややかで、結局、その冷ややかさに耐えかねた僕を含む少数派はあっさりと自転車派に転じた。ここで自分が引っ込めば丸く収まると子供のくせに大人の対応をした。クラス全体の顔色を窺ったのである。それでHRは終了し、何事もなかったように放課後となった。でも僕の心にはある種の澱のようなものが残っていた。納得していないのに意見を変えたことにたいする違和感があった。もちろん、子供だからそんなものは友だちと遊んでいるうちに霧散したのだが、あの感覚は今でもふとしたとき、特に自分の心の状態が余りよろしくないときなどに思い出すことがある。



随分と話が逸れた。

一応、人前で己をさらす活動をしているので、やはり見た目は大事だ。

それを考えると「酒さ」は余計な情報である。

せっかくいいことを言っていたとしても、顔の赤さが邪魔をして伝わらないということがあるとしたら、これほど残念なことはない。

だとすれば可能であれば治療するのがベストだとは思う。

と言うことで、この場を借りて「酒さ対策」を募集しようと思う。

この拙文を読まれた方で、何か情報があれば教えてほしい。

即効性のあるものがあればいいのだが、それは無理っぽいので、例えば同じ症状の方が自分は普段こうしているとか大歓迎。

コメントを首を長くして待っている。

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