「トムとジェリー」を見ながらつい夜ふかし。

(金曜日担当:まちだ)

最近、「トムとジェリー」をYouTubeで見ることが多い。
世代間でどれくらいの認知度なのかは不明だが(ちょっと調べてみたい)、アメリカの映画製作会社MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)が製作したアニメだ。猫のトムとネズミのジェリーが、様々なシチュエーションでいわゆる「なかよくけんか」している様子を描いている。

一本がどれも7分程度なので、寝る前に見るのが習慣化されつつあるのだが、次第に楽しくなって、ついもう一本と増えてしまい、気が付けば深夜ということも珍しくない。そういう意味では日常生活のリズムを崩す元凶でもある(笑)。

僕が小学生のころは夕方のテレビといえばこの「トムとジェリー」だった。
確か平日の17時半から放送してたように記憶している。
友達と遊んでいても、とにかくその時間までには家に帰って、トムとジェリーを見て、それから夕食というのが毎日の流れだった。
今思えば、子供を夜遅くまで外にいさせないため対策だったのかもしれない。

「トムとジェリー」の面白さはいくつもある。
展開がスピーディで分かりやすいこと、音楽とのリンクが素晴らしいこと、物理学を無視したものの動き、特にシーンの終わりによく見られる身体の形が変わるところなどは今見ても声を出して笑ってしまう。
僕が好きなエピソードは、ジェリーがとある薬品を身体に塗って透明ネズミになる話だ。見えなくなったのをいいことに、食べ物をちょろまかしたり、トムにいたずらしたりとやりたい放題。トムは必死にジェリーを捕まえようとするが、何しろ姿が見えないのが四苦八苦して……というストーリー。ここからもわかるように、ジェリーのほうがいたずらを仕掛けて、トムがそれをたしなめようとするが上手くいかないという構図が多いのも本作品の特徴だ。
この作品、姿が見えないジェリーを表現するための工夫が素晴らしい。音楽の濃淡で心情を表し、カメラの微妙な動きで行動を示すのだ。見えなくてもその場にジェリーの息遣いをはっきりと感じられる傑作だ。

当時からワクワクしながら見ていた僕だが、今見ると大人なりの感想も湧き起こってくる。
製作がスタートしたのは1940年代初頭。世界的には太平洋戦争が勃発する直前。そんなきな臭い時期にこんな楽しいアニメを製作していることに驚愕する。更に、画面に出てくる豊かな生活レベルぶりにも驚かされる。家の大きさや調度品の豪華さ、美味しそうな食べ物など、時代を鑑みれば「そりゃ日本は勝てませんよね」と思ってしまうし、当時の国力の差がそんなところから見えるもの興味深い。

作品をみていると、つい新作のリリースを期待してしまう。しかし暴力的だったり差別的と思われるようなシーンもあるので、現代の基準に照らし合わせると、なかなかあのテイストのままのリメイクは難しいのかもしれない。ここはやはり、懐かしさを存分に抱えながら夜な夜なスマホの画面を眺めるのが最適なんだろうなと思っている。

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