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夏の暑さと湿度の中で。

(金曜日担当;まちだ)



演出を担当する舞台「異邦人の庭」のツアーで、水曜日から北九州にいる。

今日が公演の初日。

見ず知らずの土地で公演することの大変さと、ご来場頂いた方々への感謝の気持ちを抱えながら、今はホテルの部屋で机に向かっている。



それにしても暑い。

気温の高さもさることながら、梅雨時ということもあるのだろうか、とにかく湿度が高いのだ。

外がまるでシャワーを浴びた直後のバスルームのような感じ。

蒸し蒸しである。

北海道で生活していると、この湿度に対する免疫が乏しい。

肌にジトっとまとわりつくような感覚がどうにももどかしい。



考えてみれば、この感じは久しぶりだ。

大学を卒業してから6年半、僕は三重県で就職していた。

そこで初めて梅雨の洗礼を受けた。

しとしとと小雨が数日降り続き、しかも気温が30度近くになるのだから、もう身体がどう対応していいのか分からなくなる。

気が付けば頭がぼーっとしてくる。

朝に作った料理はすぐに冷蔵庫に入れないと、夜には一面カビだらけになる。

湿度が100%になることもザラで、朝起きたら、フローリングの床が湿度で水浸しになっていた。

本当にもうどれもこれも驚くことばかりで、よくこんなところに暮らせるなと地元出身の同僚に言ったことがある。

するとその同僚は「あんな寒くて雪の多い場所でよく暮らせるな」と返されて返事に窮してしまった。

確かにその通りである。

慣れ親しんだ環境が自分に最も適しているのはある意味当たり前で、そこから外れたものを否定気味に捉えるのは利己主義というものだ。

自分の中に巣食う利己主義はなかなか気が付かない。

気付かないから他人も同じ考えだと思ってしまう。

そこで意見の齟齬が出たときに、思考のバランスが崩れるのだ。

バランスの崩れは、肉体や精神に様々な影響を与える。

元に戻そうとする余り、時にその振り子は刃となって他人に向けられる。

その究極はやはり世界中で起こっている紛争だろう。

傍から見れば理解しがたい理由で争いが起きている。

もう少し相手に寄り添えばとか、相手の身になってとか言うのは本当に正しい。

それで大抵のイザコザは解決する。

でもそれが最も難しい。

科学技術や思想は驚くほど進化したけれど、根本のところが追いついていない感じ。

人間はまだまだ発展途上なんだな。

まだまだ発展できるんだな。



そんなことを考えてながら北九州の夜。

旨い餃子と冷やしトマト、それから白鹿(冷)に舌鼓を打つ。



公演は日曜日まで続く。

月曜日に札幌に戻ったら、今度は寒いって文句を言うんだろうな。

嗚呼、自分の中の利己主義を何とかしたい。

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